みんなの家庭の医学 2大腰痛+第3の腰痛徹底チェック&改善法

たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学『名医が教える!冬にツラい 腰痛&ひざ痛 自宅で予防改善SP』が、2016年1月23日に放送されていましたね。(ABC朝日放送 2015年1月13日放送分の再放送)

その中の『腰痛』の部分では、日本人に多い『2大腰痛』の特徴(症状)とその原因、そして改善法(腰痛ストレッチ・腰痛体操)について取り上げるとともに、最新の研究で判明してきた『第3の腰痛』についても、詳しく紹介されていました。

ここでは、これらの『腰痛』について取り上げた部分について、その内容をご紹介したいと思います。

腰痛の女性

日本人に多い『2大腰痛』と『第3の腰痛』について解説してくれるのは、前回の記事にも登場した腰痛のスペシャリスト 福島県立医科大学 医学部整形外科学講座 教授の大谷晃司先生。

そしてもう一人、腰痛治療・リハビリテーションのスペシャリストとして、北海道千歳リハビリテーション学院 学院長/福島県立医科大学 会津医療センター特任教授の伊藤俊一先生も登場。

2人で腰痛の症状や原因、そして、具体的な腰痛ストレッチや腰痛体操などを紹介してくれます。

日本人に多い2大腰痛

腰痛を訴える患者さんは2800万人にのぼると言われ、日本人の4人に1人が悩みを抱える、まさに国民病とも言える病気ですが、その原因は様々であり、またその改善法も原因別に違ってきます。

中でも日本人に多い2大腰痛が、

1.前かがみになると痛む腰痛
2.身体を後ろにそらすと痛む腰痛

の2つです。

番組では、まず1の『前かがみになると痛む腰痛』について、35歳 OLの方の症例を元に解説していきます。

前かがみになると痛む腰痛

症状

1.重いファイルを持ち上げた瞬間、激しい腰の痛みに襲われた。土・日の2日間、安 静にしたところ、3日目の朝には強い痛みはかなり和らいだ。

2.1週間後、家の台所で野菜を切っているときにまた腰の痛みが襲ってきた。さらに 今度は腰からふくらはぎまで響くような鈍い痛みを伴っていた。

3.痛みを感じるのは片足だけで、ソファでしばらく休むと楽になった。

4.それ以来、前かがみになると腰から足まで響く痛みに襲われるようになった。

5.1か月後には座っていても腰が痛むようになった。

この35歳 OLの方に下された診断名は『腰部椎間板ヘルニア』でした。

症状を引き起こす原因

腰部椎間板ヘルニア

1.突然の痛み
重い荷物を持った時に椎間板に強い圧力がかかり、それが原因で椎間板に亀裂が走って中の髄核が飛び出した。それにより椎間板に炎症が起こり、強い痛みを引き起こした。これは腰部椎間板ヘルニアの典型的な初期症状。安静にしたことで一時的に炎症が治まり、痛みがやわらいだ。

2.腰からふくらはぎまで響く痛み
椎間板から出てきた髄核が、椎間板の外にまで出てきた状態=ちょうどシュークリームを押しつぶして、中のクリームが飛び出たような状態。飛び出た髄核が足につながる神経を圧迫したため、神経に炎症が起こり、腰からふくらはぎにかけての痛みが生じるようになった。

髄核が飛び出すきっかけは『前かがみの姿勢』。前かがみになると椎間板の前の部分に強い圧力がかかり、髄核を押し出す形になる。これが腰部椎間板ヘルニアの最大の特徴である『前かがみになると痛む腰痛』のからくり。

3.痛みを感じるのは片足だけ
髄核は左右どちらかに飛び出すことが多い。このため、片側の足だけに痛みが出る。

4.前かがみになると痛みが出る
前かがみの姿勢を止めると少し痛みは治まるが、前かがみの姿勢になると神経が圧迫されてまた痛む。これを繰り返しているうちに神経の圧迫が進む。そして・・・

5.座っているときでも痛むようになる

これが35歳 OLの方の『腰部椎間板ヘルニア』の症状と、その症状を引き起こす原因の説明でした。

腰部椎間板ヘルニアの痛みの改善法

前かがみになると痛む腰痛=腰部椎間板ヘルニアの痛みの改善法として紹介されたのは、とても簡単なストレッチで、パヒーポジションという、赤ちゃんのハイハイのような動きがとても効果的であるとのことでした。

簡単な方法ですが、梅沢富雄さんが30年来の腰痛をわずか2週間で改善した方法なんだそうです。

腰痛体操をする女性
1.うつ伏せに寝る。
2.息を吐きながら、両腕が垂直になるよう、ゆっくり上半身を起こす。

このポーズを1日2回、1~3分間続けるだけでOK!
(※痛みが出る場合はすぐに止めること)

このポーズによって椎間板の前側の圧力が下がり、髄核を内側に戻す効果が期待できるということでした。

身体を後ろにそらすと痛む腰痛

次に『身体を後ろにそらすと痛む腰痛』について、62歳専業主婦の方の症例を元に解説が行われました。

症状

1.朝起きた時にこわばったような腰痛がある。しかし、朝ごはんの支度をしているうちにおさまる。50代の頃から症状があったが、60歳を過ぎてから痛みが強くなってきた。

2.イスから立ち上がった時のように、身体の動かし始めに腰が痛む。

3.洗濯物を干そうとした時=身体を後ろにそらした時に腰が痛み、両足(ふくらはぎ)がしびれる。しかし、縁側に前かがみの姿勢で腰かけると10秒ほどで痛みが治まる。

4.腰を後ろにそらす動作をすると腰が痛み、足のしびれがあらわれるが、その都度、前かがみになるとすぐに症状が治まるため、病院には行かなかった。半年後、ウォーキングをしていると、5分間歩いただけなのに腰の痛みと両足のしびれが出るようになった。

5.歩くと腰が痛み、両脚がしびれるようになった。

この62歳専業主婦の方に下された診断名は『腰部脊柱管狭窄症』でした。これは、神経の通り道である脊柱管が何らかの原因で狭くなり、神経を圧迫して痛みを引き起こす病気です。

60代から急増すると言われ、2012年には落語家の桂歌丸さんが手術を受けたことでも知られる病気です。

症状を引き起こす原因

腰部脊柱管狭窄症

1.朝起きた時に腰が痛む
腰椎の背中側の骨がつながっている部分には、関節どうしを保護し、クッションの役割を果たしている関節包というものがある。これが加齢によって固くなっていき、朝起きた時に固くなった関節包が引っ張られることで腰に痛みが現れていた。身体を動かすことで一時的に関節包が柔らかくなり、痛みが和らぐ。これが腰部脊柱管狭窄症の典型的な初期症状。

2.身体の動かし始めに腰が痛む
関節包はさらに固くなり、関節のつなぎ目もずれてくること で、身体を動かすだけでも痛みが出るようになる。

3.身体を後ろに反らすと腰が痛む
関節のつなぎ目のずれがさらに悪化し、靭帯が厚くなる+椎間板が変形して飛び出すなどの症状が加わることで脊柱管がより狭くなる。身体をそらすことによって脊柱管が前から後ろから狭まって神経を圧迫し、腰の痛みや両足のしびれを引き起こす。これが腰部脊柱管狭窄症の最大の特徴である『身体を後ろにそらすと痛む腰痛』のからくり。

4.前かがみになると症状が治まる
身体をそらすことで狭まった脊柱管は、前かがみになることで広がるため、症状はすぐに治まる。

5.歩くと腰が痛み両脚がしびれる
脊柱管の圧迫が進むと、歩くだけでも脊柱管が狭くなり、腰痛と足のしびれが出るようになる。

これが62歳専業主婦の方の『腰部脊柱管狭窄症』の症状と、その症状を引き起こす原因の説明でした。

腰部脊柱管狭窄症の痛みの改善法

身体を後ろにそらすと痛む腰痛:腰部脊柱管狭窄症の痛みの改善法として紹介されたのは、イスに座ったままで行える簡単なストレッチでした。

1.イスに浅く腰かけ、足を肩幅に開く。
2.息を吐きながら、両手で足の甲をつかめるまで上半身をゆっくり倒す。
3.この状態で5秒間キープ。

POINT!背骨周りの筋肉や関節包が伸ばされる。

4.息を吐きながらゆっくり起き上がり、両肘を高い位置で(肩の辺り)後ろに引く。
5.この状態を5秒間キープ。

POINT!腰はそらさず胸を突き出すイメージ。背筋上部が伸び、さらに筋トレにもなる。

6.元の姿勢に戻る。

1セット5~10回を、朝と夜2セット行うと効果的だということでした。

※注意点
①痛みが出る時はやめること。
②痛くない範囲で行うこと。

また、腰痛にプラスして足のしびれや痛み、おしっこが出にくい、残尿感、頻尿などがあり、日常生活にも支障をきたすような場合は、自分で運動するだけで治そうとせず、専門医を受診して神経障害が無いかどうかを診断してもらうことが重要です。

最新の研究で分かった腰痛の原因~【第3の腰痛】

実は腰痛を訴える人のうち、腰部椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などのように原因が特定できる腰痛はわずか15%。残りの85%は、いわゆる原因不明の腰痛なんです。

しかし、大谷先生たちの最新の研究により、この85%の原因不明とされた腰痛の約44%が、【第3の腰痛】が原因として引き起こされていることが判明してきました。

【第3の腰痛】の特徴は、

①50代・60代になって初めて腰痛を感じる。
②以前とは異なる性質の痛みを感じる。

ということ。

この第3の腰痛については、女優の藤田弓子さん(69歳)の協力のもと、その解明がなされました。

藤田さんの腰痛の特徴は、

①1時間以上の立ち仕事で腰が重だるくなる。
②横になって背筋を伸ばすと腰の重だるさが和らぐ。

というものです。

第3の腰痛の可能性が分かる検査として、大谷先生の診察室で藤田さんが行ったのは、

①うつ伏せになり、手を頭の上に乗せる。
②両足を25度ほど軽く上げる。

この姿勢を2分間維持できるかどうかが、第3の腰痛であるかどうかを診断する基準値になるのだそうですが、藤田さんの記録は1分5秒。第3の腰痛が疑われるとのことでした。

ここで第3の腰痛の正体が『コンパートメント症候群』というものであることが明らかにされます。

大谷先生たちは背中の筋肉である広背筋の、さらに内側にある筋肉に着目。背骨の背中側にあって、背骨を取り巻くようにあるのが多裂筋という筋肉、その両わきにあるのが脊柱起立筋という筋肉です。

この多裂筋と脊柱起立筋の2つの筋肉が衰えてやせ細ることが原因で引き起こされる腰痛が第3の腰痛『コンパートメント症候群』なのです。

多裂筋と脊柱起立筋は、腰を動かしたり上半身が前に傾かないよう、後ろ側に引っ張って支える働きをしています。ところが加齢などが原因でこの2つの筋肉がやせ細ってくると、上半身が前に傾いてしまい、筋肉は常に引っ張られた状態になってしまいます。

こうなると筋肉に血液が流れにくくなり、筋肉内に発痛物質が出て腰の痛みを引き起こすのです。

コンパートメント症候群の症状が進行すると、数分間歩いたり立っているだけで腰に重だるさが現れ、上半身が前に傾くようになります。背すじを伸ばすと痛みはすぐに治まるものの、痛みは頻繁におとずれるため、生活の質が大きく下がることになってしまいます。

藤田さんの症状の、

①1時間以上の立ち仕事で腰が重だるくなる。
②横になって背筋を伸ばすと腰の重だるさが和らぐ。

というのは、コンパートメント症候群の典型的な症状なんだそうです。藤田さんはMRI検査も受けたのですが、MRI検査の画像によっても、多裂筋と脊柱起立筋の衰えが確認されました。

コンパートメント症候群を引き起こす原因は加齢。なので、年を重ねれば誰もがなる可能性があるのです。

コンパートメント症候群の予防・改善法

家庭で簡単にできるコンパートメント症候群の予防・改善法として、イスに座り、タオルを使いながら行う体操が紹介されました。

1.背もたれのある椅子に座る。
2.タオルを両ももの上で交差させ、しっかり持つ。
3.息を吸いながら背中で背もたれを後ろへ押す。
4.両足を開いていく。
5.同時に足が開かないよう、タオルで負荷をかける。
この状態を3~5秒キープ。
6.ゆっくり息を吐きながら元の姿勢に戻る。

10回を1セットとして、1日2セット行うと効果的なんだそうです。

藤田さんも実際にこの体操を行ったところ、体操を始めてから11日目頃には劇団で立ちっぱなしの稽古をしていても腰に痛みが現れることがなくなりました。

そして、2週間後にうつ伏せで足を上げる検査を再度受けたところ、前回は1分5秒しか持たなかったのが、なんと3分9秒に伸びていました。

藤田さんはあまりにも効果が実感できたため、この体操をいろんな人に薦めているそうです。今は、1時間以上の立ち仕事をしても、腰の痛みが出ることはほとんどなくなったそうですよ。

まとめ

以上、たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学『名医が教える!冬にツラい 腰痛&ひざ痛 自宅で予防改善SP』の内容をご紹介しました。

日本人に多い2大腰痛は、

①前かがみになると痛む腰痛=腰部椎間板ヘルニア
②身体を後ろにそらすと痛む腰痛=腰部脊柱管狭窄症

そして、最近の研究で明らかになった第3の腰痛が、

③コンパートメント症候群

ということでした。

それぞれの病気を予防・改善する腰痛ストレッチ、腰痛体操もご紹介しましたが、どれもかんたんに出来るものでしたね。大切なことは、こうしたストレッチや体操をしっかり継続していくことなんだと思います。

あなたの腰の痛みに思い当たることがあれば、ぜひ、ここでご紹介した腰痛体操を実践してみてくださいね。

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